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食べる=噛む力を鍛える・健康づくりの意識を高める第一歩
中原弘美 (なかはらひろみ)先生との対談
 小児歯科医として現代っ子の歯の異常に注視し、その原因究明と生活環境が噛むことに及ぼす影響を提唱する中原弘美先生。 
 「噛むことの大切さ」をテーマに行われた中原先生との対談を掲載します。なお、この記事は日陶科学株式会社の2013年度版カタログ16〜17ページに掲載されているものを、日陶科学株式会社と中原先生の了解を得て転載しています。また、転載にあたって若干の修正を加えています
中原弘美 (なかはらひろみ)先生
●歯科医師 小児歯科専門医・指導医 ケアマネージャー
●米国NLP TM協会認定 NLP TM プラクティショナー

噛めない子供たち
安富
 壁一面に可愛いお子さんたちの写真が貼られていますが、患者さんですか?
中原先生
 そうです、虫歯ゼロの子供たちな んです。でも、この中に歯の噛み合わせが極度に悪 い子がいるんです。 1 歳3 ヵ月の子ですが、 これまで9 ヵ月用の離乳食だけを不安定な歩 行器で食べ続けていたんです。噛まずに舌 を前後に動かすだけの食べ方が原因なんで す。
 それに今、永久歯に生え変わら ない子が多くなっているんです。ここに一枚の レントゲン写真があるんですが、永久歯ができて いるのに乳歯が抜けない11 歳の患者さんです。
 実は、乳歯はゆすられないと根っこが短くな らないようなんです。咬合力と歯の萌出力に は関連があるという報告があります。奥歯ですこし噛めば飲み込め てしまう食事を続けたため、奥歯ですり潰す動きがなく噛む力が歯に伝わらず、生え変わりがうまくいっていないんです。
安富

中原先生

 私の大学で も乳歯が残っている学生が何人もいて、驚いてしまいました。
安富
 二十数年前に、噛まなくなった、 背筋がグニャとしていると警鐘されたんですが、その時より も、もっと、何かが変だと感じる子が増えて いるように思えますね。
なぜ?から見えてきた前屈み
中原先生
 子供たちを診て、なぜ永久歯が生えてこないのか、なぜ腫れてくるのかといった疑問を突き詰めていくと曲がった背筋にたどり着くんですよ。
 姿勢は奥歯で噛むことに大きく影響します。食べる時に足の裏を床にしっかり付けることも大切なんです。
安富
 その通りです。かみかみセンサーで測定する時も、姿勢が悪いとカウントしないんです。効率的な噛み方ができていない証拠ですね。
中原先生
 現代はパソコンや電子辞書など前屈みで使うものが多く、子供が体を起こす機会が少なくなってきています。上手に正しい姿勢の意識付けをしてあげないとと思いますね。
楽しんで噛んで
中原先生
 今指導を終えた子は、絶対 にお茶碗を持って食べない子だったんです。 かみかみセンサーを付けて、『体を起こさない とセンサーが数を数えられないから起こそう ね、お茶碗を持たないのも同じことだよ』と 理解させています。
安富
 噛むことの効用と噛み方を楽しんで体得させる、いい指導だと思います。小学
校の指導に取り入れたいですね。それから、かみかみセンサーの活躍も本当に嬉しいです。
中原先生
 違った方向から教える。それができるのが、かみかみセンサーですね。
安富
 ありがとうございます。保育園で使っていただいた時に先生が、「ちゃんとよく噛みなさいよと何度も言うより、今日はこの機械付けてやってみようねと言うだけで、よく噛むようになりました。」とおっしゃいました。それだけで意識が高められるんです。
中原先生
 いろんな点で素晴らしい機械です。 それにこのデザイン、子供たちに大好評ですよ。
かみかみセンサーの発案へ
中原先生
 かみかみセンサーは学校の現場に 携わられながら開発されたんですね。
安富
 平成13 年頃から噛み方がおかしい、奥歯で噛めないなどの子供を目の当たりにして、何とか噛むことを意識してほしいと思い始めました。
 平成20 年までの開発期は大変な道のりもありましたけれど、試作の段階から子供たちに噛むことへの興味を高められると思っていました。製品化には日陶科学の社長さんに多大なご協力をいただいて今のかみかみセンサーがあるんです。

噛める学校給食を
安富
 私、養護教諭の全国大会で、長野県の給食メニュー写真に咀嚼回数を表記して展示したんです。それをご覧になったある県の養護教諭の先生が、『長野の給食はずいぶん固形物が多いですね、私の県は流動食のようですよ。』とおっしゃってました。
 文部科学省では食育を提唱していますが、噛む指導を考えたら、給食に歯ごたえの検討も必要だと思います。
中原先生
 給食に問題意識をお持ちの歯科医は多いとお聞きしますよ。噛む効用を考えると、給食の改善余地は多いと思います。
安富
 私も食育の面から、給食における平均咀嚼回数比較データを取り、メニューに対する問題提起をしたいと考えるんですけど、壁も多いです。
 以前勤務していた小学校でのことですが、『噛むことの大切さ』という単元を題材にかみかみセンサーを使った授業を行っていました。でも、学校の教育方針が変わると授業廃止になりそうなこともありました。幸い噛む授業の有用性を説き継続できましたが、この時は私の考えの良き理解者であった学校歯科医の先生の力添えが大きかったです。
 私たちが学校で噛む大切さを広めるには、学校歯科医と養護教諭の理解と熱意が必須だと思います。
中原先生
 虫歯予防を推奨する学校は多いけ ど、食育のところまで踏み込まれる学校と先生は少ないですね。
これからは何を目標にするか
中原先生
 保健指導をした子供は『いっぱい噛んだらおいしかった!』と言ってくれます。心に残せる指導がしたいですね。かみかみセンサーで噛む体験をしたその場だけでなく、毎日の食事で意識してもらう指導。
安富
 これまでに調べたことのない、学生さんや付属幼稚園の子供たちの咀嚼の実態について、かみかみセンサーを使って調べたいですね。。
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