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咀嚼回数を測定する装置「かみかみマシーンの開発」
1.咀嚼回数計測への着目
 炒り大豆の調査から、「噛む行為を意識すれば、咬合力は高まり、食べ方そのものも変わってくる」と結論づけました。 
「噛む行為を意識するための方法」について、学校給食における咀嚼回数を子どもたちが具体的に知ることで咀嚼への関心を持たせ、よく噛もうとする意識を低年齢の頃から身につけることができるのではないかと考え、平成13年に咀嚼回数を測定する装置の開発を思い立ちました。
2.咀嚼音を拾う装置の試作
 研究所や大学、企業や専門家等いろいろな所に相談しても開発の目処は立たちませんでしたが、大学で振動の研究をしていた元教え子の協力を得て平成16年に、外耳に小さなセンサーを入れて咀嚼音を拾う装置を開発しました(図@)。でも、この装置では、咀嚼音だけではなく会話音を拾ってしまい、これは失敗に終わりました。

3.駒ヶ根工業業高校の高田直人先生との出会い
 翌年の平成17年に駒ヶ根工業高校の高田直人先生を、試作一号機(図@)を持って訪ねました。 高田先生は、
「世の中にない装置だから面白い。私が作りましょう。」
と言って研究を重ねてくださり、ご自分のお子さんをモニターにして、3ヶ月後に安価(100円)なカチューシャにセンサーを付けた測定装置を作ってくれました。(図A) 
 これにより、顎の上下運動を捉えることができる咀嚼カウンターが誕生しました。早速子どもに付けてもらったところ、顎の動きをほぼ正確にカウントできる画期的な装置でした。 しかし、欠点が2つありました。それは、
@長時間食べていると、顎からずり落ちる。
A顎の奥の方にセンサーが当たるとカウントされない。
というものでした。
4.更なる改良
 そこで、装置が顎からずり落ちないように弦を付けて、耳に掛ける形にしました。
 さらに、顎から2センチ奥にセンサーが当たるとうまくカウントすることをつき止めたので、センサーが喉の方にずれないように、ストッパーとして包帯を用いました。
 こうして二人で何度も試作を繰り返し(図B)のような装置が完成し、これを「かみかみマシーン」と名付けました。
  個人研究であり予算もなかったので、なるべく安価にあがるよう身近な材料を用いるなどの工夫も凝らして5台の「かみかみマシーン」を用意し、平成18年1月から赤穂南小学校で児童の咀嚼回数の測定を開始しました。
5.給食における咀嚼回数の測定
 測定の結果、給食一食あたりの平均咀嚼回数は約1400回/25分で、子ども達は思ったより多く噛んでいました。
 男女別にみると、男子が平均約1370回/25分、女子が約1470回/27分であり、女子の方がよく噛んでいることもわかった。
 また、肥満傾向(ローレル指数160以上)の児童はそうでない児童に比べて咀嚼回数はあまり変わりませんが、咀嚼時間が有意に短く(約3分短く)、肥満傾向の児童の方が早食いであることも把握できました。なかでも「かみかみマシーン」を付けることにより、子ども達に咀嚼の意識が目覚め、普段の倍もの時間をかけて、よく噛んで食べている児童が多くなったことは、新たな発見でもありました。
6.咀嚼回数測定装置の商品化へ
 子ども達は楽しみながら、とても喜んで「かみかみマシーン」を付けてくれて、「よく噛むようになった」「ご飯やパンが甘く感じた」「いつもよりよく噛んだので、給食がおいしく感じた」「自分の噛む回数がわかってよかった」「こんなに噛んでいるとは思わなかった」等の感想が挙がりました。
 また、肥満で早食いの女の子は「よく噛むので、おかわりをしなくてもお腹がいっぱいになる」と言い、それまで毎日していたおかわりをしなくなりました。
 かみかみマシーンは子ども達に大人気で、「先生、早く僕たちのクラスにもきて測ってよ」と、ひっぱりだこで、こうして最終的に全校児童の545名全員の測定を終えることができました。
 これらのことから、「かみかみマシーン」のような咀嚼回数測定装置は子ども達の咀嚼の意識を高めるために大変有効であると確信しました。
 咀嚼回数を測定する装置はこれまで存在しなかったため、「かみかみマシーン」は歯科医師会やマスコミに大いに注目されました。
 こうした実態をふまえて、噛む事の指導を普及させるために考えたことは、「かみかみマシーン」の商品化でした。
かみかみセンサー 


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